正月3日を過ぎても売れ残っている福袋から何を学ぶ?

正月も4日になると、街の風景がガラッと変わります。

ショッピングモールなどの商業施設も初売りも一段落し、三が日の賑わいと比べると、かなり落ち着いた様子が伺えます。

毎年三が日は事務所で仕事をして、混雑がなくなった4日から気分転換に外に出てショッピングモール内のスタバなどで仕事を始めるのですが、その度に感じることがあります。

それは、4日になっても売れ残っている各ショップの福袋。

あきらかに売れ残り感満載の福袋は、お店を訪れるお客さまにどんな印象を与えるでしょうか?

果たして、それは福袋といえるのでしょうか?

今日は福袋販売の本来の目的と、個人事業主のビジネスのあり方について書いてみたいと思います。

 

利益一切度外視なのが本来の福袋販売

商品には必ず原価があり、売価があります。

売価1,000円の商品に対して、原価率が60%であれば、利益は400円。

1,000円の商品が100個売れたとして、売上高は100,000円。

売上総利益(粗利ともいう)は40,000円。

(そこから更に経費などを差し引いた金額を営業利益というのですが、ここでは割愛いたします)

売上を意識することは大事なことですが、ビジネスであれば最も重要視しなければいけないのが利益です。

仮に売上高が100,000円であったとして、利益が10,000円未満。

そんな経営状態を続けていれば、間違いなくビジネスは立ちいかなくなります。

物販商売の基本は、いかに良いものを安く仕入れて高く売るか。利益を出すか。

そこに尽きるといっても良いと思います。

利益をいかに確保するかがビジネスなのですが、そこでいうと福袋販売というのは真逆に位置付けされるものです。

あまり詳しいことを書くのはタブーなのですが、基本的に福袋は原価が高く、利益率が著しく低い商品です。

10,000円の福袋の原価が95〜97%・・・つまり、1個あたりの利益は300円〜500円程度、という販売店はざらにあります。

中には原価=売価、利益なし、なんていうショップもありました。

つまり、福袋販売は販売店にとっては利益度外視。

顧客に対して、昨年までのご愛顧の感謝の気持ち、今年一年よろしくお願いします、という意味を込めたサービス品なのです。

福袋で儲けてはいけない。いや、儲かるようでは福袋とはいえないのです。

いかに良い商品を詰めてお客さまに提供できるか。

10,000円で福袋を販売するのであれば、中身は30,000円から50,000円相当。

30,000円で販売するのならば、70,000円から100,000円相当。

それぐらい赤字覚悟で、充実した内容のものを用意する必要があります。

福袋ほど口コミで広がるものはありません。

毎年年末になると、百貨店やショッピングモールの福袋制作の様子がテレビ番組でOAされたりしていますが、あれなどはまさに格好の口コミ宣伝材料。

◯◯の福袋の中身はすごい! 絶対おすすめ。

そのような口コミはあっという間に広がります。

福袋が人気のお店は初売りの開店前から行列ができるのは当たり前。

福袋で儲けようという考えがなく、福袋の中身を良くして口コミとして広がることが最大のブランディングだとわかっているんですね。

一方、福袋の中身がひどかった、という口コミも同じく大きく広がります。

中身が見えないもの(最近は福袋の中身を見せて販売しているお店も増えていますが)を売るということは、そこにそのお店の姿勢がハッキリと見えます。

見えないから、中身はこの程度でいい。

見えないからこそ、良い中身にこだわる。

この二つの姿勢に天と地ほどの差があることは言うまでもありません。

 

売れ残る福袋を販売しているお店が考えなければいけないこと

利益度外視の商品だからこそ、数はたくさん用意できないものです。

利益率が著しく低い商品をたくさん売れば売るほど、経営を悪化させることになります。

だから福袋は数量限定が一般的。 50袋限定とか、100袋限定とか。

福袋で数が500袋や1000袋ということは本来ありえないこと。

あるとしたら通常商品と同じ原価設をしていて、ある程度の利益が確保できるもの。

売れ残ったとしても正月後にバラして売ることにより、なんとか利益が確保できたりします。

正月3日が過ぎても売れ残っている福袋を見て、お客さまはどう思うか。どう感じるか。

  • こんな時期まで売れ残っているのは中身が良くない証拠
  • そもそも、もう見たいとも思わない
  • このショップの福袋は来年も買うのはやめよう

お客さまのそのような感情を察していながら、なんとか残さずに売り切ってしまおうという店側の思惑が見えてきます。

そこにお客さま目線はありません。

売り切りたい、残したくないという店側の都合だけが見えてきます。

正月3日が過ぎても売れ残った福袋を売り続けているお店が来年に向けて考えなければいけないこと。

それは、福袋が余ってしまう現状を認識して危機感を持ち、来年こそは利益度外視で内容の良いものを作り、数量限定にすること。

福袋販売で儲けることは考えない。

年に一度の、お客さまに感謝の気持ちを伝える行事だと認識すること。

徹底して考えることが大事です。

 

年に一度の機会だからこそ提供できるサービス

もちろん、そんな利益度外視のサービスを年中やっていてはいけません。

たちまち経営悪化に追い込まれてしまいます。

年に一度だから。 新年の初売り限定だからできることです。

年に一度の利益度外視サービスでしっかりとお客さまのハートをつかみ、その年の通常販売期に繋げればいいわけです。

そしてこのことは、個人事業主や小さなお店オーナーにも当てはめることができます。

この正月に新春特別と銘打ったプレゼント企画、キャンペーン企画を展開された方も多いと思います。

僕も何人かの方の企画を拝見しましたが、「ここまでサービスしちゃうの?すごいな」という方と、「うーん・・・なんか内容がイマイチで、新春特別サービスとはいえないかな」と思える方がいました。

前者の方は先述した利益度外視の福袋精神と同じで、新年のお客さまに感謝の気持ちを込めて行っている。

一方、後者の方はたとえ新春企画であっても損はしたくない、という思惑が見えたりします。

損して得取れ。 損して徳取れ。

年に一度のサービスは売上、利益のことを考えずにお客さまへの奉仕の気持ちを見せる。

そのことは大企業も個人事業主、小さなお店も同じことですね。

 

まとめ

個人事業主や小さなオーナーが自分のサービスに値段をつけるとき。

とことんお客さま目線になることが大事です。

とかく、「この商品にはこの値段ぐらいの価値がある」と、自分目線で金額を決めてしがいがちです。

もともと原価がある商品であるならば話は別ですが、原価のない無形サービスを値段にする時は、売り手側でなく買い手側の立場になることが大切です。

利益を出し続けることは事業主である以上大事なことではあります。

ですがその利益は自分のことだけを考えた利益なのか、お客さまに喜んでいただけたうえでの利益なのか。

今の時期でしたら福袋の例にならって考えてみるいい機会ではないでしょうか。

 

 

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